昨年から当公園の30年ほど前のポジフィルムをデジタルデータ化して、整理をしています。

今のチーフレンジャーは30年ほど前も当公園のレンジャーだったため、その画像を見て、どこで何をしているのか、おおよそ分かるそうです。

せっかくなので当時の写真を少しずつご紹介していきます。
30年を経て、自然環境や、保全管理作業についても考えさせられるものがあります。

今回は、写真5点をご紹介します。
まずはこちら。ポジ_1989年9月_航空写真_retouch
これは、野鳥公園全体と大田市場が映っている1989年9月の航空写真です。
大田市場は建設中で、野鳥公園もほとんどが草地と水辺です。
写真の右側には、今の前浜干潟となる場所が映っていますが、現在と比べて、いかがでしょうか?
色々と環境が違うことが分かります。

では、約30年前の園内の光景をご紹介いたします。ポジ-1990年度1月-東観察広場-福田撮影_retouch
どこか分かりますか?
ここは、造られて間もない頃の東観察広場です。

チーフ曰く「広場の後ろの丘から撮影しています。後ろ側の壁にも観察窓がありました。真ん中の植え込みが、まだ背が低いです」とのことです。

東観察広場の後ろは、今ではすっかり樹林になり、当時とは違う環境になっています。
(実は、この観察壁の支柱の根元は、今も少し残っています)

少し違うアングルの写真を見ると…ポジ_1990年1月_東観察広場_福田撮影_retouch
東保護区も広々としたヨシ原が映っています。
先の写真とは撮影年が違うのか、東淡水池の奥にまだ樹林がなく、周辺も開けています。

次は、こちら。ポジ-1990年度4月22日-コアジサシのデコイ設置_ぼかし
※一部、ぼかしを入れています。
ここは、ネイチャーセンターの屋上です。
現在のネイチャーセンターは、リニューアルされて屋上に砂礫地がありませんが、当時はコアジサシの繁殖誘致のために砂礫地がネイチャーセンターの屋上にもありました。

チーフ曰く「ネイチャーセンターの屋上にコアジサシのデコイ(模型)を設置している様子です。石が大きくて黒っぽすぎるので、動かせるものは動かして、端に寄せていました」とのことです。

写真の背景では、2号観察小屋、1号観察小屋、そして、今はカワウのねぐらの樹林となっている場所も見えます。
観察小屋周りは、これだけすっきりしていたのですね。

コアジサシの繁殖誘致の取り組みは当時から行われ、砂礫地の整備やデコイの設置は今も行われています。

なお、コアジサシの繁殖誘致の砂礫地は、当時、園内各所にありましたが、今は、潮入りの池と前浜干潟の間にある砂礫地のみとなっています。

最後は、こちら。自然生態園
これはどこか分かりやすいでしょうか?
自然生態園です。

チーフ曰く「学習センターの屋上から撮影しています。平成4~5年の頃です」とのことです。

今と違い、木が少なく、広々と明るい水辺が見えます。
今では、写真中央の雑木林が萌芽更新を目指す時期に入っています。
木々の生長について考えさせられる写真です。
(植物が大きく育つことは、「生長」と表記します)

さて、いかがでしょうか?
当時から野鳥公園のことをご存じの方には懐かしい光景でしょうか?
初めて当時の光景を知った方もいらっしゃるでしょうか?
今後も、少しずつ公開していきますので、お楽しみに。