30年ほど前のポジフィルムから見る「昔の野鳥公園」その12です。
今回は、砂礫地編です。

これまでも一部砂礫地の様子を紹介しましたが、ネイチャーセンター前の島、潮入りの池と前浜干潟の間の砂礫地、3号観察小屋前の島での保全活動の様子をご紹介します。ポジ_1990年頃_アジサシ島 (2)_retouch
ポジ_1990年頃_アジサシ島 (4)_retuoch
センター前の島では、草刈だけでなく、海水で植物を抑えようと試みていた時がありました。ポジ_1990年頃_アジサシ島 (5)_retouch
大型の水鳥ではなく、コアジサシがとまれるように、竹を島の周りに刺していました。ポジ_1991年_アジサシ島_retouch
ヨシなどの草の根を除去するために、耕耘していました。ポジ_1992年3月_アジサシ島_防草シート埋設_retouch
根を除去した後、草が生えないように防草シートを張った時もあったようです。
シートをむき出しにすると風に飛ばされたり、シートとシートの間から草が生えてくるし、土を盛りすぎると草が生えるし…と草に悩まされていたそうです。ポジ_1990年度_アジサシ島デコイとスピーカー
コアジサシのデコイ(模型)とスピーカー設置の様子。ポジ_年代不明_砂礫地維持img049_retouch
潮入りの池と前浜干潟の間の砂礫地の様子。
今は砂利がメインですが、当時は細かな砂礫が敷かれていました。
ここでも草が繁茂するため、トラクターで耕耘をしていたそうです。ポジ_昭和54年4月_ハンバーグ島かな_チドリ類の営巣地づくり_retouch
3号観察小屋前の島でのチドリ類の営巣地づくりの様子。
今ではサクラ、マツ、ヤマモモなどが生えていますが、最初は、チドリ類の繁殖誘致のための砂礫地でした。
池の雰囲気が明るいですね。

園内のどこも同様ですが、生き物のための保全管理や、観察視界確保の管理をするにしても、植物との闘いになっています。
洪水、氾濫などの攪乱がない環境では、放置をすると、植物が増え、樹林への遷移してしまうのが自然の流れです。
攪乱の多い海辺や河川敷などで繁殖をしてきた鳥類のため、園内に繁殖誘致の場を創出・維持する場合、人為的な攪乱が必要になります。
当時から今に至るまで、ずっと試行錯誤しながら保全管理をしています。

さて、一通り、エリア別の紹介が済みました。
次回は、ひとまず、最終回として、当時の生物の記録写真をご紹介します。