今日は、レンジャーの調査業務のひとつである「底生生物(ベントス)調査」を実施しました。

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【調査の様子】

干潮時、潮入りの池と前浜干潟にて、巻き尺で起点から水辺までのラインを取り、側線として、その中に3地点の調査区を設け、採取した砂泥から生き物だけを採集する調査です。

近年は、ゴカイ類、貝類が少ないのが気がかりですが、アサリ、ソトオリガイ、マテガイ、オキシジミなどが確認できました。
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【マテガイ】
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【オキシジミ(左)、ホンビノスガイ(右)】
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【アサリ(左)、ソトオリガイ(右)】

2018年に造成された前浜干潟の奥部にも入り、状況を見てきました。
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【前浜干潟奥部の光景】
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【前浜干潟奥部から見る野鳥公園】
砂礫地近くの前浜は砂の堆積が厚くなり、ふかふかな状況になっていて、奥部の干潟も柔らかい砂干潟のエリアもありました。
泥干潟のエリアもあります。

潮だまりでは、以下の生き物が見られました。
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【マメコブシガニ】
潮入りの池でもいましたが、ヤマトオサガニやアシハラガニのように個体数が多くないカニです。
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【ユビナガホンヤドカリ】
ヤドカリ類、野鳥公園でも実はいます。
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【アラムシロ】
海の掃除屋とも言われる巻貝です。
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【ヤミヨキセワタ】
巻貝の仲間ですが、小さい殻は体内にあるため、外見では分からないという、生き物です。
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【ボラの稚魚】
潮入りの池でも大量にいますが、小さなハゼ類と共に潮だまりに残っていました。
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【アカクラゲ】
今回は、ミズクラゲ、アカクラゲが多く見つかりました。

毎年5月、8月に1回ずつ調査をしていますが、経年変化が色々とあります。
特に前浜干潟の奥部は、陸だった所を干潟へ造成後、シギ・チドリ類を始め、色々な生き物が利用できる環境になったので、今後もしっかりと経過を見守りたいものです。
もちろん、潮入りの池も同じくシギ・チドリ類を始めとする鳥類が利用できる場であり続けているか、こうした調査も行って環境のモニタリングをしていきます。