以前、東保護区の外周樹林の一角には、ハリエンジュ(別名:ニセアカシア。北アメリカ原産。マメ科)の林がありました。
東園保護区_130430_東京港野鳥公園_公財日本野鳥の会_レンジャー撮影 (2)_trim
【2013年の様子】
背が高く葉がついていない木々がハリエンジュです。
この樹木は、日本では環境省が「生態系被害防止外来種リスト」にて「適切な管理が必要な産業上重要な外来種(産業管理外来種)」の1つとし、「海岸林については、倒伏による危険や、クロマツに悪影響を及ぼさない管理が必要である」と記されています。

当公園では、各所に点在していますが、年々、ハリエンジュ含め、様々な高木が倒れているのが実態です。
例えば、最近、カワウのねぐらで何本も枯死したハリエンジュが倒れていたり、昨年まで3号観察小屋の対岸や左側でもハリエンジュが倒れていました。
3号観察小屋付近で池に倒れたものについては、サギ類やカモ類が休息に使っていましたが、枝葉が生えてきてしまったため、長期的に見て、生長に伴って落ち葉の堆積によるヘドロ化、陸地化も懸念されたため、撤去していました。
カワウのねぐらについては、人的被害や倒木からの再生も見られないことからそのまま鳥の止まり木として残置し、根から萌芽したものは適宜、クロマツ林の保全のために除伐もしています。

一方、東保護区の樹林のハリエンジュ林は、土塁の上に生え、高木化し、ツタが絡み、帆船の帆のように風を受けているものや、外周側の園内での倒木が何本かありました。
残っている高木ハリエンジュは猛禽類やツグミの群れの観察スポットではあったものの、今後、外周道路に倒れる危険性が考えられたため、仕方なく2021年3月に伐採をしました。

しかし、ハリエンジュは生命力が強く、切り株や根から萌芽(新しい芽が出ること)が生じます。
伐採跡地では、その萌芽に加え、アズマネザサ、クズ、センダングサ類など様々な植物が一気に広がりました。
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【萌芽したハリエンジュ】
そのため、レンジャーは、ハリエンジュ林の再生を抑制しながら、造園業者による作業上、やむなく一緒に伐採された在来樹木の萌芽や実生木を残し、育てることで、早めの樹林再生を試みてきました。
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【新たに生えてきたエノキ(=実生木)】
年に数回、選択的刈払いと、在来樹種の萌芽の株を間引く「もやかき」を実施しています。
C (1)
地点A 作業前 2023年6月の様子
C (2)
地点A 作業後
D (1)
地点B 作業前
D (2)
地点B 作業後

連日、保全管理レポートを投稿しました。
こうして様々な取り組みを意図して行っていることを皆様にも少しでもお伝えできればと思い、このコーナーを設けてきました。
「え、あれを伐採したの?」「伐るだけでなく、増やしてよ」というご意見・ご要望をお受けすることもありますが、意図した整備(観察・生態系・安全面)であることや、切り株からの萌芽を残したり、実生木を残し、時に移植したり、補植したりする取り組みも行っております。
今後もその時の状況に合わせ、適宜、整備が続くことになりますが、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。