東京港野鳥公園の(公財)日本野鳥の会レンジャーが、公園で観察した野鳥や自然についてお伝えします。

2022年09月

9月30日にレンジャーが確認した野鳥は以下のとおりです。

カルガモ、コガモ、カイツブリ、カワウ、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、イソシギ、ミサゴ、トビ、キジバト、ヒメアマツバメ、カワセミ、コゲラ、モズ、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、ノビタキ、エゾビタキ、キビタキ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ (27種)

東淡水池の周りでは、モズがよく観察できました
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【モズ】
枝の先端に止まり、「ギィギィ」と高鳴きをして、自分の縄張りを主張していました。


前浜デッキから、イソシギが見えました。
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【イソシギ】
リラックスして羽繕いをしている表情が、思いのほか可愛らしく見えました。

潮入りの池の上空では、ミサゴが飛んでいました。
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【ミサゴ】
左翼の先端近くの羽が曲がっているようです。

西淡水池(西調整池)では、ギンヤンマが産卵していました。
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【ギンヤンマ】
4号観察小屋から、観察できました。ギンヤンマはメスが植物体の中に卵を産み込みます。

先日、お知らせした通り、先日の休園日から、昨日にかけて造園業者さんによる草刈作業で、東淡水池の島や、潮入りの池の法面がスッキリしました。

「たくさん刈ってスッキリしたね」「観察しやすくなった」「見ないといけない所が増えました」などの感想をいただいておりますが、念のため、刈った理由などをここでもお伝えいたします。潮入り斜面草刈後_220929_東京港野鳥公園_恩田幸昌_P9290391_trim
【草刈後の潮入りの池の法面(土手)】

ここを刈った理由としては…
・クズ原を利用する鳥が少なかった
 低茎草地の方が鳥が利用するのではないだろうか
・クズ原は代替として他の場所にもある
・満潮時に水鳥が利用できる場が少ない
 そのような場がもう少し必要ではないか
・クズ原の下で実生木が増えてきている
 放置するとゆくゆくは樹林へ遷移する
という考えのもと、今回、法面のほぼ全面を刈り払い、現地で破砕していただきました。
(奥側は、特定外来生物のアレチウリが繁茂していました)

今日は、この法面に、チョウゲンボウ、イソシギ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、モズ、ノビタキ、サギ類が来ていました。
現状だけ見れば、成功のようです。
またすぐに生えてくるので、どこまで維持できるか、すべきかが課題です。

泥湿地も見えるようになったので、近々耕耘をすると、そこを出入りする鳥も見られると思います。
水辺の連続性を考えて、なるべく、障壁になるようなものは除去したいという考えもあります。

なお、この法面は、手前のヨシ原際のクズをもう少し刈り、木に絡んでいるクズも落とす予定です。
ハチ類の巣がありそうで、夏場の作業は躊躇していました。

一方、東淡水池もスッキリしています。東淡水池草刈後_220929_東京港野鳥公園_恩田幸昌_P9290392_trim
東淡水池草刈後_220929_東京港野鳥公園_恩田幸昌_P9290393_trim
【ヨシ刈り後の東淡水池の様子】

ここを刈った理由としては…
・水鳥、特に越冬で来るカモ類のための開放水面を広げること
・ただし、隠れられる場として、ある程度のヨシを残す
(本当は、左側にヨシの群落が4つ残るイメージでした…)
・島の裏側も見えるように観察視野を確保する
・ヨシ群落は、やがて陸地化・樹林化するため、遷移を止める必要がある
・ヨシ原は、代替として淡水池周辺にも残っている
という理由が挙げられます。

今後、レンジャー側で刈り残された場所のトリミングの草刈をしたり、実生木のヤナギなどの間伐・伐根などの整備を行う予定です。
また、雨水頼みの東淡水池では、2017年以降、雨不足で水位が低いことが多く、ガマがほぼ消失し、ヨシが拡大しています。
そのため、できれば、陸地化している所の一部をヨシの伐根、泥上げをし、湿地帯としての環境再整備も試みたいと考えています。

・おまけ・P9280387
【コオイムシ】
昨日、東保護区内の調整池の一部ヨシ刈りをした際、コオイムシを見つけました。

東京都レッドリスト2020年度版(区部):絶滅危惧IB類
環境省レッドリスト2020年度版:準絶滅危惧

これからも野鳥を始めとする生き物の生息・生育環境の保全、皆様の観察視野の確保に努めていきます。
管理作業が観察支障になる時もあるかと思いますが、ご理解のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

公式Twitter(受付の方が発信するアカウント)からの今更の転載となりますが…

お客様から要望が多かったコミュニティサイクル(シェアサイクル)を導入しました!
ポートは正門を入りスロープを登った右奥にあります。利用時間は野鳥公園の開園時間に準じます。

使用方法や会員登録は公式サイトhttps://docomo-cycle.jp/ota/をご確認ください。image_50741249

9月29日にレンジャーが確認した野鳥は以下のとおりです。

カルガモ、コガモ、カイツブリ、カワウ、ゴイサギ、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、バン、イソシギ、ウミネコ、トビ、チョウゲンボウ、キジバト、ヒメアマツバメ、カワセミ、コゲラ、モズ、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、エナガ、メジロ、ムクドリ、ノビタキ、エゾビタキ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ (30種)

ネイチャーセンターでは、潮入りの池の干潟を飛び回るセグロセキレイを観察できました。
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【セグロセキレイ】
干潟で小さな獲物を捕まえたり、ハクセキレイを追いかけまわしたり、活発に動き回っていました。

東淡水池では、バンを観察できました。DSC_6581
【バン】
ヨシの陰に隠れながら、注意深く泳いでいました。

芝生広場では、3羽のエゾビタキを観察できました。DSC_6553-DeNoiseAI
【エゾビタキ】
枝の先端に止まり、飛んでいる昆虫に狙いを定め、飛び立つ姿を観察できました。DSC_6552-DeNoiseAI-standard
【キジバト】
3号観察小屋では、水浴びをするキジバトを観察できました。ノビタキ_220929_東京港野鳥公園_恩田幸昌_MG_3087_trim
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【ノビタキ】
お昼頃、ネイチャーセンター横の芝生地近くの保護区では、ノビタキが2羽見られました。ノビタキ_220929_東京港野鳥公園_恩田幸昌_MG_3101_trim
クズや、刈り草の上、ノイバラの上にとまる様子が見られました。
その後、潮入りの池の東保護区側の法面(土手)にも降りていました。

9月28日にレンジャーが確認した野鳥は以下のとおりです。

カルガモ、オナガガモ、コガモ、カイツブリ、カワウ、ゴイサギ、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、イソシギ、ウミネコ、トビ、ヒメアマツバメ、カワセミ、コゲラ、モズ、ハシブトガラス、シジュウカラ、ヒヨドリ、エナガ、メジロ、ムクドリ、エゾビタキ、スズメ、ハクセキレイ (26種)

ネイチャーセンターの地下1階にあるがた潟ウォークからは、争うコサギを観察できました。
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【コサギ】
潮入りの池の干潟では、アカエイが泥の中に隠れるカニや二枚貝を食べる際に穴を掘ります。潮が引くと、その穴に小魚などが取り残されるのですが、コサギたちはそれを狙ってやって来ます。
今日は、ネイチャーセンターの左岸部の干潟に15羽のコサギが集まり、限られた狩り場を巡って、争いが起こっていました。
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【ハクセキレイ】
コサギたちが争っている横で、ハクセキレイはちゃっかりと小魚を捕まえていました。

今日は芝生広場でエゾビタキが見られました。エゾビタキ_220928_東京港野鳥公園_恩田幸昌_MG_2976_trim
【エゾビタキ】
この写真には2羽が映っていますが、3羽いたという情報もありました。カワセミ_220928_東京港野鳥公園_恩田幸昌_MG_2991_trim
【カワセミ】
3号観察小屋、4号観察小屋がある西淡水池・西調整池では、カワセミが頻繁に飛んでいました。
2羽を確認しましたが、こちらも3羽の目撃情報がありました。ムクドリ_220928_東京港野鳥公園_恩田幸昌_MG_2986_trim
【ムクドリ】
3号観察小屋の周りでは、ムクドリ、ヒヨドリが賑やかにしていました。
一部のムクドリは、オレンジ色に熟したエノキの実を食べていました。

お客様に「ヘビが2匹、2号観察小屋の近くにいるよ」と教えていただきました。
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【シマヘビ】
なんと、1mほどのシマヘビがアオダイショウの幼蛇を襲って丸呑みにしていました。ヘビは自分より小さなヘビを襲って食べてしまう事もあります。
冬眠に向けて、エネルギーを蓄えなければならないヘビたちは、今の時期は食欲もいつも以上に旺盛です。

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