東京港野鳥公園の(公財)日本野鳥の会レンジャーが、公園で観察した野鳥や自然についてお伝えします!!
◆ 開園日毎日17時30分以降に更新中 ◆

2022年09月

30年ほど前のポジフィルムから見る「昔の野鳥公園」その9です。
今回は、当時の前浜干潟をご紹介します。

前浜干潟は、以前は野鳥公園の敷地外だったためか、記録写真があまりありません。
それでも、ガイド、イベントの様子や、工事の写真が何点かあったので、ご紹介します。

まずは、観察会の様子です。ポジ_1990年代_前浜干潟_1_retouch
ポジ_1990年代_前浜干潟_3_retouch
ポジ_1990年代_前浜干潟_2_retouch
当時は、前浜干潟観察デッキがなく、1号観察小屋から先は保護区として立入禁止でした。
写真を見ると、レンジャー、グリーンボランティアさん、ボランティアガイドさん(当時は、シルバーガイドさん)が参加者の皆さまと一緒に映っています。
当時も、カニやフジツボ、ハゼなどの仲間が観察できていたのでしょうか。ポジ_前浜干潟工事1992年
造成中の前浜干潟。ポジ_1990年代_前浜工事_3
これは、杭の打設工事の様子でしょうか。ポジ_1993年12月_前浜干潟_川島撮影
これは、前浜干潟観察デッキの辺りでしょうか。
打設が終わっていて、写真下部に水門前の護岸が映っているようです。ポジ_前浜干潟-1990年代後半-img007
こちらは、工事が終わって数年後の様子かと思います。
今は、草木が茂っていますが、造成当時はこんな光景だったようです。

編集後記となりますが…
東京湾は埋め立てが盛んに行われた結果、干潟、海辺を失ってきました。
その後、人工的に干潟、潮入りの池などの海辺が海上公園として造成されてきましたが、当公園においても海辺の生き物が暮らせる場になっています。
今後は、海鳥、カニ類、貝類などを含め、海辺の生物多様性の保全もポテンシャルを活かし、よりしっかりと行っていきたいと改めて思いました。

9月11日にレンジャーが確認した野鳥は以下のとおりです。

カルガモ、コガモ、カイツブリ、カワウ、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、コチドリ、チュウシャクシギ、イソシギ、ウミネコ、ミサゴ、トビ、オオタカ、チョウゲンボウ、キジバト、ヒメアマツバメ、カワセミ、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、メジロ、セッカ、ムクドリ、スズメ、ハクセキレイ (30種)

東観察広場では、オオタカの幼鳥を観察できました。
DSC_5746
【オオタカ/幼鳥】
東淡水池の奥側の樹林にある大木で休息していました。東淡水池を見下ろすこの大木には、これからの季節、オオタカやノスリなどの猛禽類が止まることが多いので、東観察広場にお越しの際は、双眼鏡で覗いてみてください。

ネイチャーセンターでは、ミサゴやチョウゲンボウなどの猛禽類を観察できました。
DSCN2758
【ミサゴ】
潮入りの池や前浜干潟、東淡水池を行き来していました。
DSC_5737
【チョウゲンボウ】
ネイチャーセンターの隣にある広場の上を悠々と飛行していました。

前浜干潟観察デッキからはチュウシャクシギを見ることができました。
IMG_1922_2
【チュウシャクシギ】
3羽でカニなどの小動物を探していたようです。

東淡水池では、コガモやカルガモを観察できました。
DSCN2864
【コガモ】
5羽でひとまとまりになって行動し、熱心に採食していました。
DSCN2960
【カルガモ】
この個体はウシガエルを捕食しています。他のカルガモがウシガエルを横取りしようとしていましたが、このカルガモは素早く逃げながらウシガエルを丸呑みにしていました。

ネイチャーセンター2階の自然情報コーナーに、新たな展示が3つ加わりました。P9100007
1.鳥類調査レポート

レンジャーが毎日記録をしている鳥類のデータを月毎にまとめた表、ブログに掲載した写真から主なトピックスを載せています。

鳥類のデータを月毎にまとめた表では、以下のことがわかります。

・当月に合計何種が見られたか
・どの種は何日に見られたのか
・何日に何種見られたのか
・確認種のレッドリストの絶滅危惧のランク
(環境省レッドリスト2020年版/東京都レッドリスト2020年版区部)

ハードのクリアファイルの中に今年度の4月~先月8月のレポートが入っています。
観察の補助にご利用ください。

2.推しドリ

注目されている鳥の探し方のコツをご紹介する「推しドリ」を追加しました。

最近は、来園者の方からコムクドリについてよく質問を受けます。
そのため、今回は、コムクドリは探し方のコツと、カメラ設定も紹介しています。

これから猛禽類、カモ類など、不定期で変えていく予定です。

3.動画再生モニター
P9100010
レンジャーがブログ、YouTubeに投稿してある動画をネイチャーセンターでも大きな画面で見られるようにしました。

自然情報コーナーの裏側、ライブカメラ寄りの吹き抜け窓の所に設置してあります。
休憩の際にでもご覧ください。

いずれも今後、多少の変更は生じるかも知れませんが、ぜひご利用ください。

30年前のポジ写真から見る「昔の野鳥公園」。
今回は、自然生態園をご紹介します。ポジ_1990年頃_自然生態園入口
受付の背面にある自然生態園の入り口。ポジ_1990年頃_学習センター
自然学習センター。ポジ_1993年10月2日_自然学習センター前
自然学習センター前。ポジ_1990年頃_自然生態園_小川
小川の噴水?から自然学習センター方面の光景。
小川は、3号観察小屋前の西淡水池からポンプアップされ、田んぼや、田んぼ横を通り、4号観察小屋前の西調整池に流れ、循環しています。ポジ_1990年頃_自然生態園_雑木林とベンチ
雑木林の様子。ポジ_1990年頃_自然生態園_畑_retouch
雑木林を抜け、左に田んぼ、右に畑を見た光景。ポジ-1990年度-自然生態園畑付近-砂礫地
田んぼから、雑木林側を見るとこんな光景でした。ポジ-1990年度-自然生態園畑付近-小川
田んぼ横の小川の光景。ポジ_自然生態園_田植え
田植えの様子。ポジ_自然生態園_畑_img144
畑の光景。
田畑は、雑木林と同様、里地里山の一部を知る、触れる場として再現し、里地里山の生物多様性も目指すことがコンセプトとなっており、自然生態園と呼ばれる所以です。ポジ_1990年頃_4号小屋と調整池
こちらは、4号観察小屋周りの様子です。
こちらも広々していますね。

最後に、1979年の写真です。ポジ_1979年9月23日_西淡水池、観察小屋
西保護区内、4号観察小屋の対岸にあった昔の公園時代の観察小屋です。
今は、観察壁だけ残り、小屋はありません。

次回は、前浜干潟をご紹介します。

9月10日にレンジャーが確認した野鳥は以下のとおりです。

カルガモ、カイツブリ、カワウ、ゴイサギ、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、コチドリ、セイタカシギ、チュウシャクシギ、アオアシシギ、イソシギ、ウミネコ、トビ、キジバト、ヒメアマツバメ、カワセミ、コゲラ、モズ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、メジロ、オオヨシキリ、セッカ、ムクドリ、コムクドリ、イソヒヨドリ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ (34種)

ネイチャーセンターでは、潮入りの池で採食するアオアシシギを観察できました。
DSC_5683
【アオアシシギ】
このアオアシシギは、夏羽から冬羽に生え変わっている途中のせいか、羽繕いする際にむず痒そうに身体をブルッと揺らしていました。

アオアシシギの近くでは、5羽のセイタカシギも観察できました。
DSC_5624
【セイタカシギ】
そのうちのオスの成鳥1羽と幼鳥1羽は、一緒に並んで歩き回っていました。
DSC_5615
午前中はトビに追いかけられ、セイタカシギの群れは潮入りの池を飛び回っていました。
また、お客様からの情報では、ハヤブサにも一度狙われたそうです。セイタカシギ達にとっては、散々な一日だったのかもしれません。

4号観察小屋では、モズのメスを観察できました。
DSC_5593
【モズ】

また、お客様からの情報で、自然学習センターといそしぎ橋でサシバが確認されています。

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