東京港野鳥公園の(公財)日本野鳥の会レンジャーが、公園で観察した野鳥や自然についてお伝えします!!
◆ 開園日毎日17時30分以降に更新中 ◆

2022年09月

30年ほど前のポジフィルムから見る「昔の野鳥公園」その5です。
今回は、東保護区をご紹介します。ポジ_1991年4月19日_東淡水池_川崎撮影_519_retouch
ネイチャーセンター横の芝生地から保護区に入った所の管理道から見た東淡水池の光景。
広々としていて、島も全然様子が違います。ポジ_1990年代_東淡水池2_retouch
ネイチャーセンターから東保護区の方を見ると、木々も草も少なく、やはり開けた光景です。
当時、東保護区には、ヨシ原区域と呼ばれる場所がありましたが、現在は、東調整池、淡水泥湿地になっています。
次は、今、まさに復元を試みている所ですが…ポジ_1992年4月_休耕田
ネイチャーセンター横の芝生地から東淡水池を見た時、手前にある藪は、昔、休耕田を模した泥湿地でした。ポジ_1990年代_休耕田3_retouch
今でも復元ができれば、時々、このような泥湿地状態になると考えています。
また、撮影の年代、時期が異なるようですが、東淡水池の光景は、今と比べてどうでしょうか?ポジ_1990年代_東淡水池_301_retouch
ポジ_1990年代_東淡水池_11_retouch
似ているようで、違う所もあるかと思います。
池に生えるヨシやガマは、年によって生え方、量が異なり、レンジャーや業者さんによる刈払いも行うため、実は毎年、見た目が違う所があります。ポジ_1993年9月3日_東淡水池_草刈り
これは刈払いを行っている光景です。
自然による攪乱がない環境なので、刈らないと池の開放水面を失う可能性があります。
そうなると、水鳥達の居場所や、皆さんの観察視野は勿論、単一の植生、環境になることで水辺の生物多様性も損なわれることになります。
当時から保全活動を行うことで、水辺の環境を維持しています。ポジ_1990年8月_東淡水池_ヨシガマ刈り取り
ガマを刈る様子。ポジ_19940811_東淡水池_草刈り
カヌーに乗って、ガマを刈る様子。(実は、現チーフの30年前の姿というのは内緒です)ポジ_1999年頃_東淡水池_刈り取り
刈ったガマを搬出する様子。
2016年まではヨシだけでなく、ガマも多かったのですが、2017年以降の渇水で、ガマが激減し、まだ回復していません。ポジ_1990年8月_東淡水池奥泥湿地_retouch
東淡水池の対岸、通称「奥泥湿地」と呼んでいる所です。
この写真を見る限り、造成当初は、いい感じの水辺移行帯で、よい湿地帯となっていたようです。ポジ_1990年代_泥湿地保全イベント
これは、奥泥湿地の保全管理をするイベントの様子とのことです。
今では、保全管理系のイベントは行えていないのですが、ご関心のある方はどれほどいらっしゃるものでしょうか?

池の整備は、水や植物、野鳥などの様子を見ながら行う上、水での作業は労力もかかるので、結構難しいです。

※ 東淡水池、東調整池など、園内の淡水池は、全て完全に雨水頼みです。

次回は、残りの東保護区内の光景をご紹介します。

9月6日にレンジャーが確認した野鳥は以下のとおりです。

カルガモ、カイツブリ、カワウ、ゴイサギ、ササゴイ、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、コチドリ、イソシギ、ウミネコ、トビ、キジバト、ヒメアマツバメ、カワセミ、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、メジロ、ムクドリ、スズメ、ハクセキレイ (26種)

1号観察小屋では、カイツブリを観察できました。DSC_5405-DeNoiseAI-standard
【カイツブリ】
捕らえたギンヤンマを食べようとしていましたが、トンボが羽を広げた状態では飲み込む事ができません。
何度か咥え直しながら、羽を折り畳み、最後は飲み込むことができました。

同じく1号観察小屋では、羽繕いするカルガモを観察できました。DSC_5439-DeNoiseAI-standard
【カルガモ】
嘴で羽を整えている時に、カルガモの板歯(ばんし)が見えました。
カモの仲間はこの板歯を使って、プランクトン等をこし取って食べます。

東淡水池の上空では、トビが風に乗って気持ち良さそうに旋回していました。DSC_5450
【トビ】
今日は風が少し強かったのですが、尾羽でバランスを取りながら、食べ物となる弱った小動物や死んだ魚などを探していたようです。

前浜観察デッキからは、ササゴイを見ることができました。IMG_1776
【ササゴイ】
岩の上にちょこんと立って魚を狙っていました。IMG_1779
しばらくすると突然、水面に目掛けて嘴を突き出しました。
レンジャーが改めてカメラを構え直した時には、口には何もくわえていなかったのですが、果たして魚は取れたのでしょうか?

30年ほど前のポジフィルムから見る「昔の野鳥公園」その4です。
今回は、当時の東観察広場周りの光景をご紹介します。
1990年代の写真ですが、撮影年はバラバラです。

まずは、「昔の野鳥公園 その1」でもご紹介した、東観察広場。ポジ_1990年1月_東観察広場_福田撮影
今では、広場の後ろは樹林となっていますが、当時は、すっきりとしていました。ポジ_1990年代_東観察広場_山側
これが後ろ側の様子。
こんな観察壁があったとは、今では想像しにくいですね。ポジ_年代不明_東観察広場手前_手嶋撮影
いそしぎ橋側から広場へ行く道は、このような光景でした。
高木が少なく、明るい空間になっていますね。ポジ_1990年代_東観察広場近景_
観察壁は今と違い、黒塗りされていません。ポジ_1990年代_東観察広場_反対側
観察壁の外観です。ポジ_1990年頃_東園路から見た東淡水池
園路から見た東淡水池の光景。
島に木がありません。ポジ_1990年頃_観察小屋からNCへ_retouch
広場からネイチャーセンター側へ向かう道周りの光景。
ネイチャーセンターが丸見えです。

東観察広場周辺の写真だけでも今とは印象が異なると思うのですが、いかがでしたか?
次回は、東保護区編です。

9月4日にレンジャーが確認した野鳥は以下のとおりです。

カルガモ、カイツブリ、カワウ、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、コチドリ、キアシシギ、イソシギ、ウミネコ、トビ、キジバト、ヒメアマツバメ、カワセミ、コゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、メジロ、オオヨシキリ、セッカ、ムクドリ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ (28種)

潮入りの池では、今日もコチドリが見られました。
kochidori0904
【コチドリ】
獲物を見つけると、素早く走り寄って、くちばしでつまみ上げる様子を2号観察小屋から見ることができました。

kochidori09042
猛禽類が気になるのか、時折、首をかしげるようにして上空を見ていました。

2号観察小屋からは、イナゴの仲間を捕まえるダイサギも観察できました。
DSCN1568
【ダイサギ】
DSCN1575
イナゴは食べなれていないせいのか分かりませんが、何回もクチバシではさみなおしてから食べていました。

ネイチャーセンターにはニホンカナヘビの子供がやってきました。
DSC_0645
【ニホンカナヘビ】
尻尾が長く伸びているので、尻尾を切ることなく生きてきた個体と思われます。
レンジャーの手で外に逃がした後、ニホンカナヘビは元気に草むらの中へと入っていきました。

お客様で「アオダイショウを見た」、という方も数名いらっしゃいました(野鳥公園入口や2号観察小屋付近)。

30年ほど前のポジフィルムから見る「昔の野鳥公園」その3です。
前回に続き、潮入りの池の様子をご紹介します。

今回は、ネイチャーセンター建設、潮入りの池造成当初の様子の写真です。ポジ_1989年4月19日_潮入の池4_retouch
1989年4月撮影。ネイチャーセンター建設中の光景です。ポジ_1989年頃_潮入の池_retouch
遠景。ポジ_1989年4月19日_潮入の池2_retouch
ポジ_1989年4月19日_潮入の池3_retouch
杭打設の光景。同じく1989年4月の撮影です。
ネイチャセンターの近くから重機が出入りしていたのでしょうか。
以前は杭がたくさんあったのですが、今ではほぼ残っていません。ポジ_1990年2月頃_潮入の池_retouch
翌年1990年2月の撮影です。
実は、斜面(法面)はこのような形状になっています。
現在では、斜面に草木が生え、干出部分はヨシ原になっています。

今後、斜面を再び刈払い、干出部分もまずは手前側半分だけ刈り払ってみようかと考えています。
斜面は、北風が強い時にサギなどの避難場所になり、干出部分や護岸の岩場には満潮時にシギ・チドリ類などの休息場になるかと想定しています。
斜面については、放置すると草木が茂り、樹林へと遷移してしまます。
また、ヨシ原も拡大抑制や、更新のためにも、時々、刈り払う必要があります。

さて、建設、造成当初の写真はいかがでしたか?
次は、東観察広場編です。

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