東京港野鳥公園の(公財)日本野鳥の会レンジャーが、公園で観察した野鳥や自然についてお伝えします!!
◆ 開園日毎日17時30分以降に更新中 ◆

2023年03月

自然の保全管理レポートとは異なり、設備の維持管理レポートとなりますが、レンジャーの業務の一環をご紹介します。

潮入りの池と前浜干潟の間には、水門が2カ所あります。
先日、その水門を掃除する作業を行いました。
水門_潮入りの池_南側_110309_東京港野鳥公園_公財日本野鳥の会_レンジャー撮影 (2)
【前浜干潟観察デッキ横の水門の外観】
(前浜干潟観察デッキができる前の記録写真なのですが、水門自体は変わっていません)

水門は手動式で、1カ所につき、2基ついています。
上の写真では、水色の設備が水門のハンドルです。

そして、水門には、前浜側と潮入りの池側に漂流物などを防ぐ柵があります。
この柵や構内の床にフジツボやカキ、コウロエンカワヒバリガイなどの付着生物が付いたり、泥などが堆積したりすると、水流を遮ることになるため、毎年1、2回の清掃を行っています。
水流が遮られてしまうと、潮入りの池の干潟の干出時間、水の交換・循環、小さな生物の往来などにも支障が生じてしまいます。
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【作業中の様子】
P3220014
【水門構内の様子】

B (1)
水門清掃 作業前
B (2)
水門清掃 作業後

この作業は、大潮の干潮の前後にしかできず、作業内容も地道なものです。
(付着生物には申し訳ないがないのですが…)
構内は高さがなく、身長があるレンジャーでは、首や背中を曲げて作業をすることになるような所です。

一方で、2017年頃から、構内の壁や床に付着する生物が著しく激減し、年2回ではなく、年1回の作業で事足りるような状況が続いています。
塩分濃度、酸素、採食対象(プランクトンなど)のどれかか、あるいは複合的に欠如しているのかなと想像をしていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
以前は付着生物が大量に付着していて、水門清掃は過酷な肉体労働でしたが、現在では潮下帯にほとんどいない状況です。

そんな変化も毎年、作業をしていると身をもって感じています。
この水門清掃は、潮入りの池の環境を保つためにも必要な作業として、以前からずっと行われてきています。

以上、普段、ご覧いただけない所にある水門の維持管理のご紹介でした。

本日、レンジャーが確認した野鳥は以下のとおりです。

オカヨシガモ、ヒドリガモ、カルガモ、ハシビロガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、カイツブリ、カンムリカイツブリ、キジバト、カワウ、ゴイサギ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、バン、オオバン、コチドリ、イソシギ、トビ、ハイタカ、ノスリ、カワセミ、コゲラ、モズ、オナガ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、シジュウカラ、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、メジロ、ムクドリ、シロハラ、ツグミ、ハクセキレイ、アオジ、オオジュリン(42種)

2号観察小屋では、今日もコチドリが観察できました。
DSCN2169
DSCN2169 - コピー
【コチドリ】
干潟を突いてゴカイのようなものを捕まえていました。

2号観察小屋と1号観察小屋の間にあるヨシ原で、オオジュリンが観察できました。
DSCN2261
【オオジュリン】
普段はヨシの茎をめくって採食していますが、今日はヨシの穂を食べている姿が観察できました。

自然生態園ではシジュウカラが昆虫を探していました。
四十雀IMG_7827鳥
【シジュウカラ】
近くにはコゲラやメジロもいて、まだ混群を作っているようでした。

上空にはハイタカも飛んでいました。
灰鷹IMG_7851鳥
【ハイタカ】
そろそろ繁殖のために山地に移動すると思われます。同じ猛禽類ではノスリもまだ見られました。

夕方、東淡水池でカワセミが見られました。
翡翠IMG_7912鳥
【カワセミ】
いつも声を聞くばかりで観察が難しい鳥ですが、運がよいと姿も見られます。

芝生広場ではジャコウアゲハが伸び伸びと翅を広げていました。
DSC_0299 (2)
【ジャコウアゲハ】
ジャコウアゲハは幼虫の時に有毒植物であるウマノスズクサ類を食べ、体に毒を溜めることで、鳥のような天敵から身を守っているとされています。
広場にはハシブトガラスやシジュウカラなどがいたものの、鳥たちは毒があることを知っているのか、ジャコウアゲハを食べようとする素振りは見られませんでした。


本日、レンジャーが確認した野鳥は以下のとおりです。

オカヨシガモ、ヒドリガモ、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、カイツブリ、カンムリカイツブリ、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、オオバン、コチドリ、イソシギ、ウミネコ、トビ、ノスリ、カワセミ、コゲラ、モズ、ハシブトガラス、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、メジロ、シロハラ、ツグミ、ジョウビタキ、ハクセキレイ、アオジ、オオジュリン(37種)

2号観察小屋の前の干潟では、カモ達の休息や採食活動を観察できました。
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【ハシビロガモ】
繁殖地に渡る前で気が立っているのか、オス同士の小競り合いをよく見るようになりました。ハシビロガモのオスは胸を押し付け合って争っていました。
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【コチドリ/オス】
2号観察小屋の南側の干潟では、コチドリのオスが採食行動をしていました。これからコチドリを近くで観察する機会も増えそうです。

ネイチャーセンターと2号観察小屋の間にある樹林から、ガサガサと落ち葉をひっくり返す音が聞こえました。
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【シロハラ】
音を出していたのは、シロハラでした。落ち葉の下の土に隠れるミミズや昆虫の幼虫などを探していたようです。

前浜干潟観察デッキでは、カンムリカイツブリを観察できました。
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【カンムリカイツブリ】
潮入りの池や前浜干潟の運河にいるカンムリカイツブリはオレンジ色の夏羽に生え変わってきている個体も多いですが、この個体はまだ冬羽が多く残っていました。

ネイチャーセンターから見える、潮入りの池の干潟にはチゴガニがいました。
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【チゴガニ(手前)とヤマトオサガニ(奥)】
まだ数は少なく目立たないですが、チゴガニらしい、はさみを大きく振りかざすウェービングも見ることができました。

3月23日に投稿した「3月18日 クマタカを確認しました」につき、「クマタカではないように見える」という問合せを何件かいただきました。

そのため、再度検証を行いました。

外部の猛禽類に詳しい専門家・研究者にもヒアリングをした結果、「クマタカである」とする意見と、「クマタカではなく、考えられるのはチュウヒ属」とする意見が出ました。

意見が分かれたため、レンジャーとしては「クマタカと断定することができない」となりました。

そのため、本件の猛禽類は、「不明種として扱う」こととします。

よって、当日の確認種一覧からクマタカは削除いたします。

本件は、お問合せくださった方々のご意見があって、再検証する契機となりました。
お問合せくださり、ありがとうございました。
DSC_8769-DeNoiseAI-standard

本日、レンジャーが確認した野鳥は以下のとおりです。

オカヨシガモ、マガモ、カルガモ、ハシビロガモ、コガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、カイツブリ、カンムリカイツブリ、キジバト、カワウ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、オオバン、タシギ、イソシギ、ノスリ、カワセミ、コゲラ、モズ、ハシブトガラス、シジュウカラ、ツバメ、ヒヨドリ、ウグイス、エナガ、メジロ、ムクドリ、シロハラ、ツグミ、ジョウビタキ、スズメ、ハクセキレイ、セグロセキレイ、アオジ、オオジュリン(38種)

自然生態園の畑では、ジョウビタキが観察できました。
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【ジョウビタキ】
飛んでいる虫に反応する様子や、見つけた虫に飛び掛かる姿が見られました。

潮入りの池の園路では、満開のエノキにメジロが来ていました。
メジロ_230329_東京港野鳥公園_MG_8243_trim
【メジロ】
10羽ほどのメジロはシジュウカラ、コゲラと一緒に動いていました。
また、メジロは嘴が花粉で黄色くなっている個体が多かったです。

お客様から情報をいただき、2号観察小屋から通称「アジサシ島」を見ると、岩場でタシギが寝ていました。
タシギ_230329_東京港野鳥公園_恩田幸昌_MG_8270_trim
【タシギ】
ほとんど動かず、休んでいましたが、時々、顔を出して周りを見ている様子でした。

前浜干潟観察デッキでは…
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【カイツブリ】
魚(マハゼ?)を食べるカイツブリや、
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【オオバン】
カニを食べるオオバンを観察できました。

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