東京港野鳥公園の(公財)日本野鳥の会レンジャーが、公園で観察した野鳥や自然についてお伝えします!!
◆ 開園日毎日17時30分以降に更新中 ◆

2023年05月

本日、レンジャーが確認した野鳥は以下のとおりです。

カルガモ、ホシハジロ、カイツブリ、キジバト、カワウ、ササゴイ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、オオバン、コチドリ、チュウシャクシギ、キアシシギ、イソシギ、キョウジョシギ、ハマシギ、ウミネコ、カワセミ、コゲラ、オナガ、ハシブトガラス、シジュウカラ、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、エナガ、メジロ、オオヨシキリ、ムクドリ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ(32種)

今日は潮入りの池にハマシギが3羽いました。
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【ハマシギ】
開園直後はネイチャーセンター前の島にて他のシギたちと一緒にうとうとしていましたが、11時頃になると活発に動きだし、2号観察小屋前へ飛んできました。
キアシシギに威嚇されながらも、干潟で採食している様子をよく観察できました。

ハマシギを観察してネイチャーセンターへ戻る途中、スズメが地面でガ類の幼虫を捕まえていました。
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【スズメ】
地面に幼虫を何度か叩き付けて弱らせていたようです。しばらくすると、幼虫をくわえて木の上へと飛んでいきました。

自然生態園に入ってすぐ右にあるアンズ並木の下には、レンジャーが設置した「草ぼーぼーゾーン」と呼んでいる草地があります。
そこで植物や昆虫などを観察・記録していると、シジュウカラの親子がやってきました。
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【シジュウカラ】
アンズの後ろの林に3羽のヒナがいて、「草ぼーぼーゾーン」では、シジュウカラの親鳥が獲物を探していました。

園内を歩くと、子育て中の野鳥に遭遇することもありますが、観察・撮影時は、親鳥やヒナにストレスを与えないように距離感や、話し声・物音などにご配慮をお願いします。

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【センダン】
自然学習センター前では、センダンの花が満開になっていました。
花期になると、時折、お客様から種名を尋ねられる木です。
本来は、東京に自生していない暖地の沿岸部に生育する木ですが、公園や学校などに植栽されています。
(実をヒヨドリ、キジバトなどが食べ、種子散布されやすいので、園内での分布拡大には注視しています)

先日の休園日(5/8)は、干潟の底生生物調査の後、潮入りの池と前浜干潟の間にある砂礫地にて、コアジサシのデコイ(模型)設置作業も行いました。

以前と同様の保全作業をした上で、今年もデコイ設置をしました。

今年からは、リトルターン・プロジェクトさんからお借りしている木製デコイだけでなく、新しいタイプのデコイも加わります。
以前、イベントで色塗りをしていただいたデコイたちです。

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砂礫地に運ばれたデコイたち

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デコイの支え部分を砂利で埋め、それとなくペア(つがい)に見えるように配置したり、集団で営巣しているように分散して配置したりしました。

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設置したデコイ

昨年はコアジサシがあまり飛来しませんでしたが、飛来する個体数や確認頻度が年によって変動があるので、今年はどうでしょうか。

また、コチドリの営巣も気になります。

拡張造成した当初2018年、2019年はコチドリのヒナをネイチャーセンターから確認できましたが、最近はヨシを始め、草の繁茂が著しく、観察が困難な状況です。

このデコイ設置をした日にも砂礫地に2羽のコチドリがいましたが、抱卵する様子や、卵の確認はできていません。

コアジサシ、コチドリなどが砂礫地を利用してくれることを期待しつつ、見守ります。

本日、レンジャーが確認した野鳥は以下のとおりです。

カルガモ、カイツブリ、カワウ、ササゴイ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、オオバン、ヒメアマツバメ、コチドリ、チュウシャクシギ、キアシシギ、イソシギ、キョウジョシギ、トビ、カワセミ、コゲラ、オナガ、ハシブトガラス、シジュウカラ、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、エナガ、メジロ、オオヨシキリ、セッカ、ムクドリ、スズメ、カワラヒワ(30種)

3号観察小屋ではいつものようにアオサギを観察できました。
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【アオサギ】
ヨシの茂みから出てきて、辺りを見渡した後に、長いくちばしを使って水をすくうように飲み始めました。水を飲んだ後は、長い舌でくちばしについた水滴を取っていました。

東観察広場周辺の園路ではエナガの幼鳥たちが見られました。
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【エナガ】
先週は親から給餌を受けていましたが、今日は自分たちで食べ物を採っていました。時折、顔を向けてこちらの様子を伺っているようでした。

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【オオヨシキリ】
今日も盛んに鳴くオオヨシキリが東保護区にて観察できました。
ただ、遠いので、スマスコ(スマートフォンxスコープ)でも不鮮明な映像になってしまいます…
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時々、口を開けて鳴いている様子も観察できました。
せめて東淡水池の島の木に来てくれると良いのですが、最近は、東淡水池の奥側の草地に生えているナンキンハゼや、東調整池の土手に生えているアキニレがお気に入りのようです。

本日、レンジャーが確認した野鳥は以下のとおりです。

カルガモ、ハシビロガモ、コガモ、ホシハジロ、カイツブリ、キジバト、カワウ、ササゴイ、アオサギ、ダイサギ、コサギ、バン、オオバン、コチドリ、タシギ、チュウシャクシギ、キアシシギ、イソシギ、キョウジョシギ、ウミネコ、カワセミ、コゲラ、オナガ、ハシブトガラス、シジュウカラ、ツバメ、イワツバメ、ヒヨドリ、エナガ、メジロ、オオヨシキリ、セッカ、ムクドリ、ツグミ、キビタキ、スズメ、ハクセキレイ、カワラヒワ(38種)

お昼頃の前浜干潟観察デッキからは、水浴びをするシギたちを観察できました。
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【キアシシギ】
潮が引いた後にできた潮溜まりで、何度もバシャバシャと水しぶきをあげながら水浴びをしていました。水浴びを終えるとその場で軽く飛びあがって、羽根についた水を飛ばしているようでした。
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【キョウジョシギ】
キョウジョシギも水浴びをしていましたが、こちらはすぐに水浴びを終えて食べ物を探し始めていました。

潮入りの池では、チュウシャクシギも水浴びをしていました。
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【チュウシャクシギ】
水浴びをした後は翼を広げてパタパタと乾かしているような動きをしていました。

ネイチャーセンター横の広場ではムクドリたちが群れで採食していました。
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【ムクドリ】
ほとんどのムクドリたちは走り回って小さな昆虫などを食べていたようですが、1羽だけハナムグリの仲間を捕まえていました。ハナムグリの硬い外骨格に悪戦苦闘しながらも、何度もくわえ直すことで、何とか飲み込むことができました。

ムクドリに食べられてしまったハナムグリですが、自然生態園ではコアオハナムグリが観察できました。
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【コアオハナムグリ】
ハルジオンの花に頭をうずめて花粉を食べていました。暖かくなり、園内ではハナムグリを始めとした昆虫たちもよく見られるようになりました。

レンジャーの保全管理業務の1つに泥湿地耕耘があります。

淡水性のシギ・チドリ類、サギ類(特にチュウサギ)のような水田環境を好む鳥のために、東保護区には泥湿地と呼ぶエリアがあります。
そこでは、トラクターを用いた耕耘を行っています。A (1)
泥湿地区画2 作業前
A (2)
泥湿地区画2 作業途中
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耕耘時の光景 ※エンジンを止めて撮影しています
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トラクター後部にあるロータリー

泥湿地は田んぼ状のものが4区画あり、先月は、区画1、2、4で耕耘をしました。
そして、昨日までの雨で今は潤って、いい感じの泥湿地になっています。IMG_6837
泥湿地区画2 雨後の様子

今日、その泥湿地では、タシギとツバメがいるのをネイチャーセンター2階から観察できました。
湿地の状態確認も兼ねて現地に赴くと…タシギ_230509_東京港野鳥公園_恩田幸昌_MG_9622_trim
【タシギ】
採食をしていました。ツバメ_230509_東京港野鳥公園_恩田幸昌_MG_9652_trim
【ツバメ】
2、3羽が時々来て、泥湿地で泥と枯れ葉を集めて運んでいました。
(園内では巣作りを確認していないので、園外の近場で営巣をしていると考えております)

一方、ネイチャーセンター横にある芝生広場側、東淡水池池畔の休耕田模倣地も再び保全管理をしています。

その休耕田模倣地も、昨日までの雨で一時的に水が溜まっています。P5080372
【5/9(月)雨後の様子】

昨日は、ここにコチドリが飛来し、採食していました。

しかし、池の水位の方が休耕田模倣地より低いため、ここの水は池側にしみ出してしまい、何日も水位を保てないと思われます。

池の水位が回復した時は、この場所も田んぼ状になり、水生生物やシギ・チドリ類などが利用し、観察もしやすい場所になることを想定しています。

以上、長くなりましたが、レンジャーの業務の1つのご紹介でした。
引き続き、泥湿地、休耕田模倣地のような湿地帯の整備に努めていきます。

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