東京港野鳥公園の(公財)日本野鳥の会レンジャーが、公園で観察した野鳥や自然についてお伝えします!!
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カテゴリ: 保全管理レポート

先日の休園日(5/8)は、干潟の底生生物調査の後、潮入りの池と前浜干潟の間にある砂礫地にて、コアジサシのデコイ(模型)設置作業も行いました。

以前と同様の保全作業をした上で、今年もデコイ設置をしました。

今年からは、リトルターン・プロジェクトさんからお借りしている木製デコイだけでなく、新しいタイプのデコイも加わります。
以前、イベントで色塗りをしていただいたデコイたちです。

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砂礫地に運ばれたデコイたち

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デコイの支え部分を砂利で埋め、それとなくペア(つがい)に見えるように配置したり、集団で営巣しているように分散して配置したりしました。

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設置したデコイ

昨年はコアジサシがあまり飛来しませんでしたが、飛来する個体数や確認頻度が年によって変動があるので、今年はどうでしょうか。

また、コチドリの営巣も気になります。

拡張造成した当初2018年、2019年はコチドリのヒナをネイチャーセンターから確認できましたが、最近はヨシを始め、草の繁茂が著しく、観察が困難な状況です。

このデコイ設置をした日にも砂礫地に2羽のコチドリがいましたが、抱卵する様子や、卵の確認はできていません。

コアジサシ、コチドリなどが砂礫地を利用してくれることを期待しつつ、見守ります。

レンジャーの保全管理業務の1つに泥湿地耕耘があります。

淡水性のシギ・チドリ類、サギ類(特にチュウサギ)のような水田環境を好む鳥のために、東保護区には泥湿地と呼ぶエリアがあります。
そこでは、トラクターを用いた耕耘を行っています。A (1)
泥湿地区画2 作業前
A (2)
泥湿地区画2 作業途中
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耕耘時の光景 ※エンジンを止めて撮影しています
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トラクター後部にあるロータリー

泥湿地は田んぼ状のものが4区画あり、先月は、区画1、2、4で耕耘をしました。
そして、昨日までの雨で今は潤って、いい感じの泥湿地になっています。IMG_6837
泥湿地区画2 雨後の様子

今日、その泥湿地では、タシギとツバメがいるのをネイチャーセンター2階から観察できました。
湿地の状態確認も兼ねて現地に赴くと…タシギ_230509_東京港野鳥公園_恩田幸昌_MG_9622_trim
【タシギ】
採食をしていました。ツバメ_230509_東京港野鳥公園_恩田幸昌_MG_9652_trim
【ツバメ】
2、3羽が時々来て、泥湿地で泥と枯れ葉を集めて運んでいました。
(園内では巣作りを確認していないので、園外の近場で営巣をしていると考えております)

一方、ネイチャーセンター横にある芝生広場側、東淡水池池畔の休耕田模倣地も再び保全管理をしています。

その休耕田模倣地も、昨日までの雨で一時的に水が溜まっています。P5080372
【5/9(月)雨後の様子】

昨日は、ここにコチドリが飛来し、採食していました。

しかし、池の水位の方が休耕田模倣地より低いため、ここの水は池側にしみ出してしまい、何日も水位を保てないと思われます。

池の水位が回復した時は、この場所も田んぼ状になり、水生生物やシギ・チドリ類などが利用し、観察もしやすい場所になることを想定しています。

以上、長くなりましたが、レンジャーの業務の1つのご紹介でした。
引き続き、泥湿地、休耕田模倣地のような湿地帯の整備に努めていきます。

今日は、レンジャーの調査業務のひとつである「底生生物(ベントス)調査」を実施しました。

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【調査の様子】

干潮時、潮入りの池と前浜干潟にて、巻き尺で起点から水辺までのラインを取り、側線として、その中に3地点の調査区を設け、採取した砂泥から生き物だけを採集する調査です。

近年は、ゴカイ類、貝類が少ないのが気がかりですが、アサリ、ソトオリガイ、マテガイ、オキシジミなどが確認できました。
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【マテガイ】
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【オキシジミ(左)、ホンビノスガイ(右)】
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【アサリ(左)、ソトオリガイ(右)】

2018年に造成された前浜干潟の奥部にも入り、状況を見てきました。
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【前浜干潟奥部の光景】
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【前浜干潟奥部から見る野鳥公園】
砂礫地近くの前浜は砂の堆積が厚くなり、ふかふかな状況になっていて、奥部の干潟も柔らかい砂干潟のエリアもありました。
泥干潟のエリアもあります。

潮だまりでは、以下の生き物が見られました。
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【マメコブシガニ】
潮入りの池でもいましたが、ヤマトオサガニやアシハラガニのように個体数が多くないカニです。
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【ユビナガホンヤドカリ】
ヤドカリ類、野鳥公園でも実はいます。
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【アラムシロ】
海の掃除屋とも言われる巻貝です。
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【ヤミヨキセワタ】
巻貝の仲間ですが、小さい殻は体内にあるため、外見では分からないという、生き物です。
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【ボラの稚魚】
潮入りの池でも大量にいますが、小さなハゼ類と共に潮だまりに残っていました。
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【アカクラゲ】
今回は、ミズクラゲ、アカクラゲが多く見つかりました。

毎年5月、8月に1回ずつ調査をしていますが、経年変化が色々とあります。
特に前浜干潟の奥部は、陸だった所を干潟へ造成後、シギ・チドリ類を始め、色々な生き物が利用できる環境になったので、今後もしっかりと経過を見守りたいものです。
もちろん、潮入りの池も同じくシギ・チドリ類を始めとする鳥類が利用できる場であり続けているか、こうした調査も行って環境のモニタリングをしていきます。

4月21日(金)に東淡水池の島の草刈をしました。
(元々は、水没している池底ですが、水位低下で露出している箇所です)

以前、セイタカシギ、コチドリが営巣したエリアが草で覆われ、利用がしにくく、観察もしにくい状況になったため、急遽刈り払いました。
B (1)
撮影地点A 作業前
B (2)
撮影地点A 作業後
D (1)
撮影地点B 作業前
D (2)
撮影地点B 作業後

今回の課題は、草刈より、ヤナギでした。
ヤナギは折れたり剪定したりした枝が地面に落ちるだけで発根し、芽吹きます。
元々、渓畔林で生育する種が多いヤナギ類は、河川の氾濫に耐えられるよう、折れた枝だけでも生き続けられるタフな性質があります。
この場所でもタネから生えたものもありますが、多くは折れた枝から増えたものでした。
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折れたヤナギの枝からの発根・発芽の様子(写真左側に根)
「撮影地点B 作業後」でも右下に映っているヤナギは、伐根できなかったものです。
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繁茂するヤナギ
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陸に運び出したヤナギ
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搬出待ちの伐根したヤナギ

大体で400本くらいは抜いたでしょうか。
まだまだ残っていますが、これを放置するとやがて、東淡水池の島はヤナギの林になると想定できます。
(東淡水池の左側にあるヤナギの群生は、かつて水位が高かった2016年頃までは、ガマの群落でした)
氾濫などの攪乱が起きにくい土地柄のため、こうして人が手を入れて、維持したい環境を目指した整備が必要になります。

そのほか、以下の生き物も見つけました。
コオイムシ_230422_東京港野鳥公園_恩田幸昌_P4210220_trim
コオイムシ
コオイムシは、以前にもご紹介しましたが、当公園では水辺で作業をしてもなかなか出会うことがない水生昆虫です。
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カワヂシャ
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フトイ(オオフトイ?)
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カズノコグサ
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アゼナルコ

田んぼや湿地帯に生えるような草が花期を迎えていました。

自然の保全管理レポートとは異なり、設備の維持管理レポートとなりますが、レンジャーの業務の一環をご紹介します。

潮入りの池と前浜干潟の間には、水門が2カ所あります。
先日、その水門を掃除する作業を行いました。
水門_潮入りの池_南側_110309_東京港野鳥公園_公財日本野鳥の会_レンジャー撮影 (2)
【前浜干潟観察デッキ横の水門の外観】
(前浜干潟観察デッキができる前の記録写真なのですが、水門自体は変わっていません)

水門は手動式で、1カ所につき、2基ついています。
上の写真では、水色の設備が水門のハンドルです。

そして、水門には、前浜側と潮入りの池側に漂流物などを防ぐ柵があります。
この柵や構内の床にフジツボやカキ、コウロエンカワヒバリガイなどの付着生物が付いたり、泥などが堆積したりすると、水流を遮ることになるため、毎年1、2回の清掃を行っています。
水流が遮られてしまうと、潮入りの池の干潟の干出時間、水の交換・循環、小さな生物の往来などにも支障が生じてしまいます。
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【作業中の様子】
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【水門構内の様子】

B (1)
水門清掃 作業前
B (2)
水門清掃 作業後

この作業は、大潮の干潮の前後にしかできず、作業内容も地道なものです。
(付着生物には申し訳ないがないのですが…)
構内は高さがなく、身長があるレンジャーでは、首や背中を曲げて作業をすることになるような所です。

一方で、2017年頃から、構内の壁や床に付着する生物が著しく激減し、年2回ではなく、年1回の作業で事足りるような状況が続いています。
塩分濃度、酸素、採食対象(プランクトンなど)のどれかか、あるいは複合的に欠如しているのかなと想像をしていますが、はっきりとした原因は分かっていません。
以前は付着生物が大量に付着していて、水門清掃は過酷な肉体労働でしたが、現在では潮下帯にほとんどいない状況です。

そんな変化も毎年、作業をしていると身をもって感じています。
この水門清掃は、潮入りの池の環境を保つためにも必要な作業として、以前からずっと行われてきています。

以上、普段、ご覧いただけない所にある水門の維持管理のご紹介でした。

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