東京港野鳥公園の(公財)日本野鳥の会レンジャーが、公園で観察した野鳥や自然についてお伝えします!!
◆ 開園日毎日17時30分以降に更新中 ◆

カテゴリ: 保全管理レポート

連投となりますが、こちらもご報告いたします。

ネイチャーセンター横の芝生から東淡水池を見た時に、手前にあった休耕田(模倣地)を再整備中です

今日は、雨だったため、観察支障になりにくいと判断し、トラクターを入れて、耕耘をしました。
A (1)
作業前 地点A
A (2)
作業後 地点A
B (1)
作業前 地点B
B (2)
作業後 地点B

クズや実生木の根があり、なかなか大変でしたが、耕耘が粗方できました。
雨量によりますが、今後の雨で潤えば、休耕田のような湿地帯が見られると期待しています。

季節によっては、コチドリ、タシギなどが見られるかも知れません。
こちらも見守っていただけますと幸いです。

P3230081
ついでに、東淡水池の池畔の一部も耕耘をしました。

ヨシが繁茂し、水鳥が上陸できるエリアが限定的だったため、ここも水辺移行帯として、今後、様子を見て整備していこうと考えています。
(現在は水位が低下しているため、島周辺の池底が露出し、水鳥が利用できますが、水位が上がると池畔はヨシに囲まれ、上陸できる所が限定的になっています)

クマタカ観察レポートに続き、保全管理レポートもご報告させていただきます。

ネイチャーセンターから見て正面にあるヨシ原を更新も兼ねて、一部刈り払いました。
A (1)
作業前
A (2)
作業後
以前、ブログでも紹介しましたが、1990年2月は、下の光景でした。
4103ffd6

今回の作業は、以下の目的があります。

1.長らく更新がされていなかったヨシ原の更新
2.斜面から侵入していたツル植物の除去(一時的な効果にすぎません)
3.地形の確認(石積みの露出)

ここは長らく、刈られておらず、ヨシが痩せて、もろくなっていました。P3220062
遠目では、分かりにくいのですが、間近にいくとヨシ原の半分が枯死して倒れていました。
また、斜面からクズ、スイカズラなどのツル植物が侵入し、ヨシを被覆し、ヨシ原が半分ほど衰退していたという事情もあります。
P3220057_trim
東保護区の土手から見下ろすと、被覆で倒れているヨシの範囲が分かります。
ツル植物の葉は今の時期、ついていないので、遠目ではそれらの茎は目立たず、ただヨシが倒れているようにも見えます。

また、目的3については、以下が判明しました。

・土留めの杭が朽ち、その後ろにあった土が干潟側(ヨシ原だった所)に流出している
・ヨシ原の堆積土(ヨシ自体の腐葉土を含む)が厚くなって、陸地化が進んでいる
・陸地化が顕著な所では、ヨシ原内でセイタカアワダチソウ、ノイバラ、クズの根などの侵入が多数見られた

土の量が多いので、今すぐ何ができるというものではありません。
しかし、ヨシ原の陸地化が顕著なので、このまま放っておくと樹林への遷移の可能性があります。

この場所は、長年、ヨシ原としていた間に、特に近年では、オオジュリン、ごく稀に見られるクイナ、ヒクイナの観察スポットでした。
そのため、手入れを躊躇していましたが、それらは他のヨシ原でも見られていることもあり、ひとまず、ヨシ原の衰退を止めるための整備が必要と判断し、ヨシの芽が出てくる直前に整備をしました。

また、現状はヨシ原がなくなり、干潟との移行帯になっているので、満潮時に水鳥が上陸する様子を観察できます。
今日は、オオバン、イソシギが上陸していました。
手前の石垣も露出したので、カワセミが止まる様子が見られるかも知れません。

ヨシ原として再生するか(衰退に歯止めがかかるか)、あるいは、水鳥の上陸スポットとして現状維持をするかは、当面、様子見となります。
しばらく見守っていただければ幸いです。

潮入りの池では、たくさんあった鳥の止まり木としての杭が腐朽により、ほぼ消失しています。
それに対し、まずは、レンジャーができる範囲で、少しずつ杭を増やしています。(といっても、立ち入るタイミングを逃し続け、だいぶ時間が経ってしまいました…)

新たに竹林整備時で伐採されていた枯れ竹8本と、柵用で余っていた杭1本、植栽樹木の支柱だったもの1本を試しに打ち込みました。
今回は、主にネイチャーセンター正面の奥に広がる大きな干潟付近で作業をしました。

柵用だった杭は、太めなため、道具を使って、干潟を掘ってから、カケヤで打ち込みました。
A (1)
作業前
A (2)
作業後
P3090564
掘り出しの様子

打ち込みをしてから約10日が経っても、まだ干潟に刺さっています。
満潮時に杭が浮いて、流れていかないか心配をしていました。
B (1)
作業前
B (2)
作業後

なお、これらの新しい杭でも、時々、カワセミが止まっている様子も観察しています。
今後もできる範囲で杭の打設をしていく予定です。

以前、レポートした通り、東保護区にある東調整池では、かいぼりを実施中です。

その後、降雪・降雨で水が10cmほど溜まったため、泥さらい作業を中断していました。
堰板を開放していたので、溜まった水は、東淡水池にゆっくりと放水していました。

そして、ようやく水が下がってきたので、先日、泥さらい作業を再開しました。

調整池の泥上げをした箇所だけ水が残っていたのですが、そこには…
P2220443
P2220448
アズマヒキガエル_230222_東京港野鳥公園_恩田幸昌_P2220445_trim
【アズマヒキガエル】
アズマヒキガエルたちが産卵に来ていました。
蛙合戦もしており、卵塊もたくさんありました。
P2220449

そのため、作業員3名のうち、2名がヒキガエルと卵塊の東淡水池への引っ越し作業を行いました。
今後も、ヒキガエルや卵塊を確認した際は、東淡水池へ引っ越し作業を行うことになりそうです。

また、泥さらい作業は、少ししか進んでいませんが…A (1)
作業前
A (2)
作業後
少しずつ拡張しています。

ヘドロ層の泥さらいは、ひとまず、近場に山を作りながら(この写真では、右側の水溜まりの右と手前の陸)、泥さらいエリアを拡張しています。
ヘドロは、水が減って引き締まっていますが、厚さ10cm程度のようです。
積み上げた泥の山は、今後、含んでいる水が減った頃、陸に運び出す予定です。

ちなみに、今回の泥さらい作業は、以前の作業エリアとは少し離して行なっていたのですが…
ヒキガエルと卵塊の回収が想像以上に大変とのことで、水位を下がるために2つの作業エリアを繋げた結果、泥さらい箇所が拡張されました。

今後も、厚く堆積した池底のヘドロ層の回収、貯水率改善、池底の微地形づくりなどを兼ねて、作業を続けます。

実は、東保護区では、一昨年からセンサーカメラを設置し、夜間撮影をしています。

今回、せっかくなので、一部をご紹介します。
今後も不定期にご紹介できればと考えております。
(そして、しばらく保全管理レポートを更新していなかったので、最近、連投しております…)

東保護区には、泥湿地と呼ばれる田んぼ状のものが4区画あります。
そこでは、レンジャーが草刈、耕耘をして湿地として保全管理をしています。

今冬は、水が豊富な内は、泥湿地にも東淡水池から既設電動ポンプで送水し、水を張っていました。
「冬水田んぼ」状になっていた泥湿地では、日中は野鳥の利用が少ないのですが…アオサギ_221222_東京港野鳥公園_ _川島撮影-019
【アオサギ】
水があると日中、このような様子の所です。
夜になると…_221223_東京港野鳥公園_ _川島撮影-127
手前にはコガモ、カルガモが採食し、左奥にはサギの群れがいました。
12月、1月の水が張っていた期間は、このような写真が多々記録されていました。
刈り草が残っていると耕耘の時に、トラクターのロータリーに絡んで厄介になります。
その一方で、刈り草を残しておくと、刈り草やその下に隠れる生き物が水鳥たちの採食対象になったり、あるいは、休息をする島になったりします。
そのため、一部は搬出せずに残しています。

この泥湿地は、その後、雨不足で水が干上がってしまったのですが、他には…タヌキ_230111_東京港野鳥公園_ _川島撮影-297
【タヌキ】
時々、日中でも確認されているタヌキですが、このカメラでも撮影されていました。
また、残念ながら…アライグマ_230130_東京港野鳥公園_ _川島撮影-334
【アライグマ】
特定外来生物に指定されているアライグマは、度々、センサーカメラで撮影され、園内各所で足跡、糞などの痕跡も見つかっています。
対策検討をしており、実際に駆除実績もありますが、まだ複数個体が確認されています。ノスリ_230130_東京港野鳥公園_ _川島撮影-328
【ノスリ】
見にくいのですが、右下にノスリの背面が映っています。
何かを捕まえて食べているようでした。

他には、日中にモズやハクセキレイが映っているものもありました。

以上、普段見られない夜の野鳥公園の一部のご紹介でしたが、いかがでしょうか。
これらは、昼夜で見られる生き物が異なる事例の記録写真だと思います。
また、泥湿地を保全管理する意味も考えさせられます。
今後も、時々、センサーカメラの記録写真をご紹介したいと考えております。

↑このページのトップヘ